我々が時計を作る理由Category1
創業者のレイモンド・ウェイルがブランドを立ち上げた1976年当時、歴史あるスイスの時計業界はクォーツショックに喘いでいました。1960年代に世界で初めてクォーツ式の腕時計が発表されると、機械式時計はシェアを奪われ壊滅的状況に。そんな状況のなか、あえて新しい時計ブランドを作り出すことは、言うなれば逆境の中でのスタートだったのです。
しかしそれは、「スイスの時計製造がどうあるべきか」を再考する絶好の機会とも言えたのです。我々のビジョンは明確でした。高い技術、品質、そして優雅さを兼ね備えた時計を作る。決して利益を優先せず、クォーツショックにより同じく大不況を迎えていた優れたサプライヤーと手を組み、伝統的な機械式時計産業を守る。誇り高きその信念は、今もブランドのアイデンティティとして根付いています。
また現在でも、創業者一族による経営を持続。ゆえに、我々の歩みには揺るぎない芯が通ります。前述の通り、レイモンド・ウェイルは時計製造を全て一貫して行うマニュファクチュールブランドではありません。しかし、我々が信頼するスイス国内のサプライヤーと協力体制を整え、ラ・ショード=フォンに位置する自社で組み立てを行い、高品質な時計にこだわっています。小さなパーツサプライヤーを含め、スイスの時計業界全体で新しい時計を作る。そこにも、創業当時と変わらぬ姿勢が見て取れます。